講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

特殊研究

レポート

本日はその場レポート。前期に比べてテクスト選びも難しかったかと思いますが、いかがでしたでしょうか?

ソシュールの言語学

本日は発表ではなく、私の方でソシュールの言語学について解説しました。20世紀フランス思想に決定的な影響を与えた彼の研究成果は、仏文科の学生にとって必ず押さえておかなければならないことの一つです。 本日で今年度の講義は終了。次回、年明け最初の…

differance

デリダの2回目は"differance"について。この造語がどのようにしてつくられるのかを発表してもらった後、これが前回扱ったエクリチュールとどのようにかかわるのかということについて解説しました。かなり難しい話になってしまったけれど、いかがでしたでし…

エクリチュール

今年度に扱う最後の哲学者は、ジャック・デリダ。『グラマトロジーについて』より、エクリチュール抑圧の歴史に関する分析を紹介してもらいました。次回はデリダの造語differanceについて。本日おおざっぱに解説したソシュールの言語学についてもあらためて…

レポートについて

現代思想論および特殊研究の2010年度後期レポートについて、詳細を以下に掲載しましたので、履修者の方は確認しておいてください。現代思想論レポート特殊研究レポート

知覚と行動

今回はドゥルーズの映画論。映画史にネオレアリズモがもたらしたとされる根本的転換について、ドゥルーズの分析にもとづきながら哲学的に考察しました。少なくともヒッチコックとロッセリーニそれぞの映像の違いについては気づいてもらえたのではないかと思…

差異と同一性

本日よりドゥルーズ。プラトンのイデア論を解読しつつ、西欧における差異の同一性への従属の歴史を明らかにしようとするドゥルーズの議論を、『差異と反復』についての発表をもとに考察しました。難解で抽象的に思われる哲学的概念も、どのような具体的問題…

テクスト配布

来週金曜に使用するドゥルーズのテクストをBBSにて配布します。これを理解するためには、プラトンのイデア論についての知識が必要です。BBSへ

パノプティコン

フーコーの2回目は権力について。『精神医学の権力』のなかの「パノプティコン」に関する一節を読みながら、「規律権力」のメカニズムを極めておおざっぱに解説しました。とりわけ、「見られずに見る」システムが、個人一人ひとりに関する知を集積するもの…

人間の死

本日からフーコーです。人間の自由、主体性を強調するサルトルに対し、まさしくそのような考え方がある種の不自由によってもたらされたものであると主張するフーコー。みなさんにとって受け入れやすいのはどちらでしょうか? 来週はフーコーの権力論について…

実存は本質に先立つ

サルトルの2回目。サルトルの言う自由について少々詳しく補足をした後、「実存主義とは何か」についての発表へ。「実存は本質に先立つ」という命題をめぐるテクストを読んでいきました。私たちは自分の行動に全面的に責任がある、というサルトルの主張につ…

自由の刑

ベルクソンの後はサルトル。『存在と無』第四部の自由に関する記述について発表してもらいました。「即自」、「対自」、さらには「無化」など、サルトルに固有の用語がいくつも出てきてしまってちょっとわかりにくかったかもしれませんね。でもそれにしては…

次回テクスト

次回テクスト(サルトル)をBBS [50]にて配布します。

記憶について

今週もベルクソンについて。簡単に前回のおさらいを済ませた後、『物質と記憶』のなかの二種類の記憶に関する記述を発表してもらい、解説を加えました。反復練習による暗唱のような記憶、習慣的記憶と、一回きりの出来事についての個別の記憶とを区別すべき…

持続について

後期最初の発表は、前期同様、私が担当。ベルクソンの時間論について簡単に紹介した上で、『創造的進化』冒頭部分を要約&解説しました。私たちが内側から生きている「持続」は、通常私たちが時計によって計っている時間には還元できないものであるというこ…

プリント配布

来週の授業で使用するテクストを、前期同様、BBSにて配布します。最初に扱うのはベルクソン『創造的進化』の冒頭部分です。講義日誌BBSへ

後期スケジュールなど

簡単に授業の狙いや進め方について説明した後、後期のスケジュールを紹介。シラバスとは少々異なりますので要注意です。そしてその上で、発表担当者を決定しました。今回は全ての発表者が一気に決まりましたね。 次回はひとまず私が担当。ベルクソンの「持続…

レポート

今日はその場レポート。課題の趣旨もわかってもらえてだいたいみんなちゃんと準備できていたようですね。すでにいくつか興味深く読ませてもらいました。 来学期もどうぞよろしく!

社会契約

ルソーの第二回目は『社会契約論』。一人ひとりがある種のルールに服従すると同時に自らの自由を放棄しないですむような結合を行うにはどのようにすればよいか、という問題に対し、ルソーが提示する「社会契約」について考察しました。サッカーの例は必ずし…

レポート日時決定

特殊研究その場レポートの日時が決定しました。以下をご覧ください。特殊研究レポートについて

不平等の起源

前期最後に扱う思想家はルソー。まずは『人間不平等起源論』を読んでみました。人間の「自然状態」および「社会」の成立に関するルソーの考察を、ホッブズやファーガソンの説と比較しながら解説しました。 次回は『社会契約論』。テクストはBBSからどうぞ…

イディオティスム

本日はディドロの2回目で、『ラモーの甥』。「イディオティスム」について述べられている部分を読んでいきました。一般的な良識とは別に、それぞれの職業や身分における良識がある、という「彼」の主張は、私たち自身の日常に照らして理解しやすかったので…

美について

本日からディドロ。『百科全書』のなかの「美」の項目について発表してもらい、解説しました。「美」とは関係の観念を生じさせる何かである・・・という定義はちょっとぴんと来なかったようですね。 次回はやはりディドロの『ラモーの甥』。テクストはBBS…

賭の必要性について

パスカルの2回目は賭の必要性について。神が存在するかどうかを人間はその知性によって知ることはできないけれど、しかし神が存在する方に賭けて生きることこそが理性的な選択である、というパスカルの議論を、発表に引き続き出来る限りかみ砕いて説明して…

二つの無限と人間

本日よりパスカル。今日は、『パンセ』のなかの、「神なき人間の惨めさ」に関する断章をとりあげて、発表してもらい、一緒に読んでいきました。虚無にも全体にも到達することのできない有限な存在としての人間は、どのように生きればよいのか・・・次回の賭…

コギト

デカルト『省察』の2回目。第二省察において、疑いうるものすべてを疑った末に、コギト(我おもう)の確実性に到達するところまでを扱いました。納得できた人、そうでない人、さまざまでしたが、妥協せず徹底的に考えるとはどういうことか、なんとなくでも…

方法的懐疑

本日と次回はデカルトの『省察』を扱います。今日はまず第一省察について。絶対確実なものを手に入れるためにひとまず疑いうるものすべてを疑ってみようという、いわゆる「方法的懐疑」に関して発表してもらい、解説しました。モンテーニュに比べてまさに哲…

友情について

先週予定していたモンテーニュ「友情について」の発表を、今日やってもらいました。モンテーニュの友情論に必ずしも賛同しないにせよ、人と人とのつながりの最高形態が友情である、なぜなら友情とは二つの魂が一つになるほどのつながりのことだから、という…

本日休講

先日から体調を崩してしまい声を出すのがつらいので、申し訳ありませんが本日の授業は休講とさせてください。 本日予定していた特殊研究の発表は、来週5月7日にやってもらえるとありがたいです。それからやはり特殊研究のディドロ、ルソーの発表予定者で、…

真偽の判断の不可能性

まずは先週の嘘つきの話について簡単に補足。そして引き続きモンテーニュ『エセー』より「真偽の判断を、われわれの能力に委ねるのは愚かである」と題されたテクストを担当者に発表してもらいました。多少の勘違いはあったとはいえ概ねうまくまとめてくれて…