講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Bazin (1)

まず、前回仏作文の正解から。Quoique les hommes se flattent de leurs grandes actions, elles ne sont pas souvent les effets d'un grand dessin, mais des effets du hasard. そして今回の課題です。「もし、純粋で、我々の他の情念と混ざり合っていな…

批判哲学と有限性

『言葉と物』における「深層の発明」の話を、カントの「物自体」に関連付けて解説。そこから、「批判哲学」と有限性の問題へと持って行きました。要するにフーコーは、カントの哲学を、「深層の発明」の帰結のうちのひとつとして位置付けているということ。 …

サド、人種問題、マティス

仏作文、前回課題の正解はこちら。On n’est jamais si heureux ni si malheureux qu’on s’imagine. そして今回の課題です。「優雅さは身体にとって、精神にとっての良識にあたる」 今回はサドと道徳、人種問題とサッカー、マティスと色彩についての発表。あ…

2009年度慎改ゼミ卒論テーマ

今年度(2009年度)慎改4ゼミ生の卒論テーマを大ざっぱに紹介します。ゼミ選びの参考にしてください。2009年度慎改ゼミ卒論テーマ

鈴木順子先生河上肇賞受賞!

1年次生Cクラスのフランス語演習および2年次生特殊研究でお世話になっている鈴木順子先生が、「河上肇賞」を受賞されました。おめでとうございます!Cクラスの方は、鈴木先生に"Felicitations!"とお伝えください。河上肇賞(藤原書店)

4ゼミ相談

本日は授業そのものはお休みにして、来年度4ゼミについての相談を受けました。結構たくさん来てくれましたね(「お茶菓子」目当てもあったのかもしれないけど・・・)。いろいろ率直な意見を聞くことができてこちらも大いにためになりました。 とにかく慎改…

後期レポートなど

今日はまず、後期レポートについて詳細を説明しました。欠席した方、聞き逃した方は、こちらを参照してください。 それから、事実上/権利上の区別や生物学の誕生について先週のおさらい。ダーウィンとラマルクの進化論の違いまでは話すことができたものの、…

レポート

現代思想論および特殊研究の後期レポートについて、以下に概要を掲載しましたのでご覧ください。詳細についてはそれぞれ次回授業のときに説明する予定です。 2009年度後期現代思想論レポート2009年度後期特殊研究レポート

・フランス語2(Cクラス)プリント11の練習問題1まで終了。不規則動詞の現在形の活用および複合過去のつくりかたについても確認しました。あんまり例文がなくてディクテが楽になってしまいましたね・・・ ・フランス語演習(Aクラス)第16課のジェロンデ…

性と権力

前回の発表を受けて、今回はミシェル・フーコーによる権力分析について少々詳しく紹介。まずは、フーコーの言う「権力」とはどのようなものであるのか、そしてそれが歴史的に変化したとはどういうことなのかについて解説しました。 次回は、これがどのように…

農業、ジャズ、メイク、モネ

本日は4名の発表だったので、仏作文は省略。来週やります。 発表は、フランスと日本の農業、ジャズの歴史、カモフラージュメイク、モネの絵画について。みんな本文も書き進めてくれていて、ひとまず合格です。授業中に指摘した問題点をふまえて、どんどん先…

Jean Renoir(3)

まず、仏作文の正解です。L'homme croit souvent se conduire lorsqu'il est conduit. そして今回の課題。「人間は自分の偉業を自慢するが、その偉業は、偉大な志の結果であるというよりも、偶然の結果である。」 ルノワールに関する発表は、9をとばして最…

深層の発明

有限性をめぐる考え方の根本的な転換についておさらいし、「見えないもの」 の射程に関する質問(en fait/en droitなど)に答えた後、『言葉と物』へ。そこで述べられている「深層の発明」によって可能になった三つの学問のうち、とくに生物学の誕生について…

・フランス語2(Cクラス)プリント10を練習問題まで終了。来週は11からです。ディクテももちろんやります。 そして今日は、ジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』を上映。まるで舞台を観ているような感じになるのはどうしてなのかを考えてもらいました。映…

性の煽動

本日は、簡単にフロイトについておさらいした後、性と権力についての発表。ミシェル・フーコーの著作にもとづいて、性は抑圧されているというより煽動されているということ、権力と知は敵対しているというより支え合っているということを紹介してもらいまし…

複合家族

仏作文前回課題の正解はこちらCeux qui s’appliquent trop aux choses deviennent ordinairemant incapables des grandes. そして今回課題です。「人は決して、自分が思っているほど幸福でもなければ不幸でもない。」 今日は、フランスの家族制度についての…

Jean Renoir(2)

まずは仏作文の正解。L’orgueil est egal dans tous les hommes, et il n’y a de difference qu’aux moyens et a la maniere de le mettre au jour. そして今回の課題です。「人間は、何かによって導かれているときにも、自らを導いていると信じることがしば…

有限性

休講や白金祭などでお休みが続いてしまい失礼しました。内容を忘れてしまっているかもしれないと思い、おさらいを少々丁寧に済ませた後、『臨床医学の誕生』についてのまとめを行いました。この著作において提示されている「不可視なる可視性」を、「喪失と…

・フランス語2(Cクラス)プリント10-1、10-2を終了。次回は10-3の解説から。もちろん今日やったところがディクテ範囲となります。 そして、フランス文化紹介として、今日はリュミエール兄弟のいくつかの映像を観てもらいました。創世記の映像にすでにあっ…

固着と外傷

前回、前々回と扱ってきた精神分析の話についての総まとめ。無意識、夢、リビドー、エディプス・コンプレクスといった概念を、神経症の治療というフロイトの目的にからめながらつなげてみました。結構駆け足で端折ったところも多かったので、興味のある方は…