講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

楊逸氏講演会「言葉と交流」

午後6時より、2008年に「時が滲む朝」で第139回芥川賞を受賞した楊逸氏の講演会が、白金キャンパスにて行われました。仏文科の小野先生による司会のもと、興味深い話を聞かせていただきました。

「市民ケーン」(1)

仏作文の正解は以下のとおり。Il n’est pas facile de deviner sa pensee. そして今回の課題です。「私が彼らと初めて出会ったのはパリである」 発表は、「市民ケーン」の1〜5まで。トリュフォーのテクストによって、少しでもこの映画の核心に近づくことが…

狂気と人間学

本日は、狂気の近代的な考え方の成立と人間学的思考との関係についてのフーコーの分析を紹介。そしてそこから、『狂気の歴史』と50年代の彼の著作とのあいだに認められる決定的切断を指摘しておきました。 次回は、そのような離脱の身振りにもかかわらず61年…

・フランス語2(Cクラス)第4課のExercicesまでを終了。例によってやったところが来週のディクテ範囲です。 それから、前期の試験範囲は結局第5課のExercicesの手前までということにしました。次回の授業の半分ほどで範囲を終えて、残りを練習や質問など…

ムルナウ、ラング、ガンス

本日はまず、前回発表してもらったグリフィスとエイゼンシュテインについて簡単に補足。有機的モンタージュ、弁証法的モンタージュという、ドゥルーズによる両者の特徴づけを紹介しました。 そして次に、ドイツとフランスのスタイルについて、フリッツ・ラン…

仏文学会評議会

今年度第一回目の仏文学会評議会が白金で開催されました。とくに1、2年生がたくさん参加してくれて何よりでした。私は都合で話を聞けなかったけれど、いろんな案が出たようですね。一つでも多く実現するようみんなで計画を練り上げていってください。

卒論執筆について

前回は仏作文の課題を出せず失礼しました。今回の課題は以下の通りです。「彼はテーブルで眠りこんでしまった、なぜならワインを飲みすぎたからだ。」 今日は原稿が間に合わなかったため、発表は来週に延期。次のみんなで読もうという箇所もまだあんまり予習…

「泥棒成金」(2)

前回仏作文の正解から。Je n’arrive vraiment pas a te comprendre. そして今回の課題。「彼の考えを察するのは容易ではない」 本日は「泥棒成金」に関するテクストの残りを終えました。作品自体は、「裏窓」に比べてあまりインパクトがなかったようで。本日…

狂気と医学、狂気と自由、狂気と悪徳

前回講義の内容についていくつかおさらいした後、監禁制度の解体がいかなる新たな狂気経験をもたらしたのかについて。いわば三つの取り違えによって狂気をめぐる近代的な考え方が成立するようになったのだということを、『狂気の歴史』にもとづいて解説しま…

・フランス語2(Cクラス)3−1から始めて4−1まで終了。次回の小テストは、やったところのディクテと、21から69までの数字です。 5のExercicesまで終わることができるかどうか、微妙ですねえ。 ・フランス語演習(Aクラス)本日は第8課。比較級の勉強で…

グリフィス、エイゼンシュテイン

先週の授業を引き継いで映画の技法の基本的要素について簡単に解説した後、グリフィスとエイゼンシュテインについての発表へ。詳しく調べてくれていたし自分でもいろいろ考えてくれていて見事でした。 来週は、平行モンタージュと衝突モンタージュについて補…

マネの絵画発表(5)

仏作文の正解は以下の通り。なお今回は事情により作文課題はありません。Il n'a rien a voir avec cette affaire. 発表は、Le Chemin de fer、Le Fifre、Olympiaの3つ。Le FifreとOlympiaは誰でもすでに知っていた絵だろうけど、フーコーの解説によって新た…

ワイン講習会

本日は仏文学会主催のワイン講習会。いつものようにいろんなワインとチーズをおいしくいただきました。どうやら秋にもう一度、という流れですので、今回参加できなかった人は次回にぜひ!

レポート

2009年度前期3ゼミレポートについて以下に詳細を掲載しましたのでご覧ください。 2009年度前期3ゼミレポート

ヒッチコック「泥棒成金」

まず仏作文。前回の正解は以下の通り。Contre toute attente, elle est arrivee a l’heure a notre rendez-vous. そして今回の課題です。「僕には君のことがまったく理解できない」 期末レポートの話をしたり次の発表箇所を当てたりしていたら、結局「泥棒成…

非理性と監禁

本日より、1960年代にフーコーがどのようにして人間学的思考から身を引き離していくのかをみていくために、まずは1961年の『狂気の歴史』について。古典主義時代における狂気の監禁をめぐるフーコーの分析を概観しました。来週は、狂気が今度は精神の病とし…

・フランス語2(Cクラス)3−1まで終了。来週の小テストは、今日やったとこのディクテと、数字(11〜20)です。 今日は期末試験についてもアナウンスしました。範囲は5までが目標ですが、ちょっとペースが落ちてしまったのでもしかしたらそこまでいかない…

映画の誕生

今日から映画です。ベルクソンによる映画批判とドゥルーズによる取り上げなおしについてごく簡単に触れた後、映画の誕生について基本的な解説。リュミエール兄弟のいくつかの映像、ジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」、さらにはムルナウ「サンライズ」を…

「マネの絵画」発表(4)&卒論題目提出

まずは仏作文の正解から。Les hommes ne sont que les hommes quand bien même ils sont tres grands. で、今回の課題です。「彼はこの件に全くかかわりがない。」 発表は、ArgenteuilとLe Dejeuner sur l'herbe。ほんとはもっと進む予定だったんだけど・・…

ヒッチコック「裏窓」

まずは仏作文。前回の正解です。Meme si je prends un taxi, je serai en retard. そして今回の課題。「予想に反して、彼女は約束の場所に時間通りに到着した。」 発表は、前回鑑賞したヒッチコック「裏窓」について。映画そのものを楽しんでもらえたとあっ…

精神疾患と疎外

まず『夢と実存』への序文についておさらいした後、1954年のフーコーのもう一つのテクスト『精神疾患とパーソナリティ』へ。内容を簡単に紹介しつつ、こちらでもやはり、弁証法的思考と人間学的探究との本質的なつながりが見いだされるということを強調して…

レポート

2009年度前期特殊研究期末レポートについて、以下に詳細を掲載しましたのでご覧ください。 2009年度前期特殊研究期末レポート