講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

2012-01-01から1年間の記事一覧

荒さんについての記事が朝日新聞に掲載されました

明学仏文科に在籍し、難病と闘いながら懸命に学んでいる荒美有紀さんについての記事が、朝日新聞デジタル(2012年12月24日)および朝日新聞朝刊(2012年12月25日)に掲載されました。 「見えない、聞こえない、生きるって何? 荒さんの世界」(朝日新聞デジタル)

総復習(2)

復習プリント5の(12)まで終了。次回は、残りの問題のうち、とくに重要であると思われるものを中心に解説するつもりです。

フーコー(2)

今回は『精神医学の権力』より、「パノプティコン」について。フーコーが「規律権力」と呼ぶ権力のメカニズムがどのようなものであるのかということを発表してもらいました。権力が下から来るということ、権力が自動的に働くということなど、フーコーの主張…

模擬卒論審査

本日は、慎改ゼミ恒例の模擬卒論審査。卒論を現在の時点で書けているところまでプリントして持ってきてもらい、年末どれくらいがんばらなければならないかを判定しました。もうほとんど終わっている人、これからの人、両極端でしたね・・・泣いても笑っても、あ…

「ラス・メニーナス」の2つのヴァージョン

テクスト211ページの5行目まで終了。「ラス・メニーナス」の最初のヴァージョンには画家も画架も描かれてはいなかったという、X線調査によって分かった事実をふまえた分析でした。次回は、一定範囲をみんなで分担することによって、なんとか最後まで読み終…

総まとめ

キュニコス派とキリスト教との関係について前回話したことをもう一度整理し直した後、前回のコメントに対する回答、そして最後に今年度の授業の総括を行いました。政治的パレーシア、倫理的パレーシア、キュニコス派のパレーシアに関する考察を通じて、現在…

卒論テーマなど

本日は、今年度最後の3ゼミということで、自分が今興味を持っていることで、卒論のテーマにつながりそうなことがあるかどうかを、一人ひとりに聞いてみました。具体的な作家や作品を挙げることのできる人もいれば、まだ漠然としか思い浮かべることのできな…

総復習(1)

先週の授業で教科書を最後まで終えたので、今日からは3限も4限も総復習。3限では、文法の練習問題を解きながら、補足的な説明も加えました。 今日は2の(5)まで終了し、宿題は6まで。また、ディクテは39ページの3,4です。

フーコー(1)

フーコー第一回は『知の考古学』。「言説」を語る主体から切り離して分析するという研究方法について語られている部分を発表してもらいました。納得いくところもあれば、納得いかないところもあったのではないかと思います。来週もしくは年明けの授業で少々…

相談日

本日は授業は行わず、卒論の内容やパソコンの使い方についての個別相談。数名の人が来てくれて、多少ともゆっくり話すことができました。 そしていよいよ来週は模擬卒論審査。できるだけ先まで書き進めてください!

ベラスケスとカント

199ページの3行目まで読んだ後、208ページ5行目までを私が要約。さらっとやるつもりだったんだけど、「物自体」の話などを少々詳しくやっていたら、それで時間がきてしまいました。次回はその続きから読んでいきます。

王としてのキュニコス派

キュニコス派の生の続きとして、王としての生の話。ディオゲネスとアレクサンドロス大王の対面のエピソードを紹介しました。 次回は、キュニコス派とキリスト教との関係について簡単に話した後、今年度の総まとめを行います。

死後でなければ・・・(5)

仏作文の正解はこちら。次回の課題はありません。Assez de gens méprisent le bien, mais peu savent le donner. 本日でテクストを読了。その後、例によって討論会を行い、とくに死について議論を交わしました。死は生の終わりであると同時に目標である、私…

接続法

今回で教科書の内容をすべて終了。来週からは、期末試験に向けての復習をやっていきます。なお、ディクテは45ページの3と4から出す予定です。

ベルクソン(2)

今回は『物質と記憶』における二種類の記憶についての発表。細かいところはわかりにくかったかもしれないけれど、身体的記憶と精神的記憶があるという主張については理解してもらえたのではないかと思います。 次回からはフーコーです。

卒論発表(6)

本日発表の卒論テーマは、移民問題、フランス人の恋愛観、パリの街並み、フランスにおける日本の漫画。例によって、進み具合にかなり差がありましたね。 これにて卒論発表は終了。あとはもう、書くのみです!

幾何学的構成と想像的構造

テクスト198ページ下から12行目まで読了。「ラス・メニーナス」の消失点が扉に置かれる一方で、その幾何学的水平線が王の眼の高さにあるということ。ここから、「絶対的主体」としての王の地位が示されることになります。

真の生から別の生へ

今回はキュニコス派の生。ギリシアにおいて一般的に「真の生」とみなされていたものを、キュニコス派がどのようにして極端化し、反転させて、「別の生」を生きるに至るのかということを説明しました。

死後でなければ・・・(4)

仏作文前回の正解および今回課題です。La reconnaissance de la plupart des hommes n'est qu'une secrète envie de recevoir de plus grands bienfaits.「かなりの人々が財産を軽視するが、それを(他の人々に)与えることのできる人はほとんどいない」 テ…

負の所得税

講義とは直接関係ないけれど、話題の「負の所得税」について。ミシェル・フーコーは、新自由主義に関する歴史的かつ批判的分析を展開した1979年の講義『生政治の誕生』(邦訳252-256頁)のなかで、1970年代のフランスにおいて企図されたものとしての「負の所…

直接話法と間接話法

まずは単純過去、前過去の活用に関する練習問題。次いで、直接話法から間接話法に書き換える際の規則を勉強しました。次回はいよいよ最後の項目、接続法です。 なお3限のディクテ範囲は、43ページの3,4です。

ベルクソン(1)

今日からベルクソン。まず、ベルクソンの言う「持続」について簡単に説明した後、『創造的進化』冒頭における「変化」の話を発表してもらいました。ポイントをうまく押さえてくれていましたね。 次回はやはりベルクソンによる「記憶」の話です。

卒論発表(5)

本日の発表テーマは、無意識、ラルティーグ、日仏の女性と仕事、サルトルと自由。ほとんど書き終えている人もいれば、まだ本文を書き始めることができないでいる人もいましたね。とにかく残された時間は1ヶ月余り。待ったなしです。

鏡と扉

テクスト196ページ下から8行目まで読了。「ラス・メニーナス」の消失点が実は鏡ではなく扉にあるという事実によって、王の絶対的な地位が示されている、という話に辿りつきました。

キュニコス派のパレーシア

本日より、キュニコス派について。学説ではなく自らの生そのものによって真理を示す、というキュニコス派のパレーシアを、残りの授業では扱っていく予定です。今日はとりあえず、キュニコス派とはどのようなものか、その基本原則はいかなるものかということ…

死後でなければ・・・(3)

まずは仏作文の正解と課題です。 Il est difficile d'aimer ceux que nous n'estimons point; mais il ne l'est pas moins d'aimer ceux que nous estimons beaucoup plus que nous.「大多数の人々が示す感謝は、より大きな恩恵を受けることへのひそかな欲求…

ヴォルテール(2)

ヴォルテールの2回目は、やはり『哲学辞典』の項目から、「愛」について。最後に出てきたライプニッツの楽観主義に対する批判については、次回もう一度説明しようと思います。

条件法、現在分詞

条件法の続きをやった後、現在分詞、ジェロンディフを経て、単純過去および前過去へ。来週は直接話法と間接話法のところからです。ディクテは、41ページの2,3,5から出します。

大過去など

本日は第15課を終えて、第16課の条件法まで。次回は条件法過去のおさらいから始めます。宿題は、41ページの練習問題1,2,3。 なお、3限の授業ではディクテ課題を出すのを忘れてしまったので、来週はディクテなしということで。

ヴォルテール(1)

ヴォルテールの1回目。「啓蒙思想」について簡単に説明した後、『哲学辞典』の「性格」の項目について発表してもらいました。デカルトよりはとっつきやすかったのではないかと思います。