講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

狂気と医学、狂気と自由、狂気と悪徳

前回講義の内容についていくつかおさらいした後、監禁制度の解体がいかなる新たな狂気経験をもたらしたのかについて。いわば三つの取り違えによって狂気をめぐる近代的な考え方が成立するようになったのだということを、『狂気の歴史』にもとづいて解説しました。


次回は、そうした狂気の近代的なとらえ方が人間学的思考とどのように密接に結びついているのか、そしてそのような分析を行いつつかつて自らが属していた思考の地平から身を引き離そうとするフーコーがいかなる点においていまだ人間学的であり続けているのかという点について話す予定です。