講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

最終回 「表面と深さ」(2)

今年度最後の特殊研究。冬休みがあってあいだがあいたので、トゥルニエのテクストについて簡単におさらいをした後、表面と深さとの関係についてあらためて考察。表面を深さに対し第一義的なものとして考えるやり方を提示しつつ、トゥルニエの語る愛の表面性をどのようなものとして理解すればよいかを解説しました。純粋な愛ではなく混成的愛、唯一つの愛ではなく多数多様な愛、などなど。


授業の最後に要望などを書いてもらったんだけど、声がちょっとでかすぎる、というお叱りがありました・・・確かにマイク音量がすでにカラオケ並みのような気はしてましたが。


それともう一つ、参考文献をもっと紹介して欲しかった、ということについては理由あるいは言い訳があって、実は恥ずかしながら私自身、紹介できるほどたくさんの本を読んでいないのです。つまり、100冊読むかわりに1冊を100回読むほうだってこと。というのも、難しい本についてはそれを1回ざっと読んだだけだとたいていの場合自分がすでに持っている考えをそこに投影するだけで終わってしまうし、逆に1回読んで簡単に理解できそうな本だったら読むまでもないかなと思ってしまうので。でもまあ、やっぱり言い訳なんですけどね。