講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

3ゼミ

最善説(2)

仏作文前回課題の正解はこちら。 L'espérance et la crainte sont inséparables, et il n'y a point de crainte sans espérance ni d'espérance sans crainte.そして今回の課題です。 「我々が愛する人々が我々に対して持つ力は、ほとんど常に、我々自身が自…

最善説(1)

前回仏作文の正解です。 Les biens et les maux qui nous arrivent ne nous touchent pas selon leur grandeur, mais selon notre sensibilité.そして今回課題はこちら。 「希望と恐れは不可分であり、希望のない恐れもなければ恐れのない希望もない。」 本…

最高善(討論)

前回仏作文の正解はこちら。 On blâme aisément les défauts des autres, mais on s'en sert rarement à corriger les siens.今回課題はこちらです。 「我々に起きる幸不幸は、その大きさに従ってではなく、我々の感受性に従って、我々の心を動かす。」 本日…

最高善(2)

まずは前回仏作文の正解。 Il ne faut pas s'offenser que les autres nous cachent la vérité puisque nous nous la cachons si souvent nous-mêmes.今回課題はこちらです。 「人は他人の欠点を安易に非難するが、自分の欠点を直すためにそれを役立てること…

最高善(1)

前回仏作文の正解はこちら。 La ruine du prochain plaît aux amis et aux ennemis.今回の課題はこちらです。 「他人が我々に真実を隠すことに腹を立ててはならない、なぜなら、我々はかくもしばしば我々自身に対して真実を隠すからだ。」 テクストは132…

美(討論)

まずは仏作文の正解です。 C'est une ennuyeuse maladie que de conserver sa santé par un trop grand régime. 今回の課題はこちら。 「隣人の没落は、友人をも敵をも喜ばせる。」今日は「美」の項目についての討論。美の判断は主観的ではあるけれどある程…

初回から早速、仏作文。 On aime à deviner les autres ; mais l'on n'aime pas à être deviné.今回の課題はこちらです。 「自分の健康を過度の養生法によって保つのは、困った病気である。」 前期レポートの返却などを済ませて、「美」の項目を講読。短いテ…

自己愛(討論)

仏作文前回課題の正解はこちら。 C'est une preuve de peu d'amitié de ne s'apercevoir pas du refroidissement de celle de nos amis.今回の課題はこちらです。 「人は他人の思惑を推察するのは好きだが、自分の思惑が推察されるのは好きではない。」 前期…

自己愛

前回仏作文の正解は以下の通り。 Quand on ne trouve pas son repos en soi-même, il est inutile de le chercher ailleurs.そして今回の課題です。 「我々の友人たちの友情が冷めたことに気づかないのは、友情の乏しさの証拠である。」 「ソクラテス的と呼…

ソクラテス的と呼ばれる愛(討論)

まずは仏作文の正解から。 N'aimer guère en amour est un moyen assuré pour être aimé.今回の課題はこちらです。 「自分自身のなかに安らぎを見いだせないとき、それを別の場所に探しても無駄である。」 今日は「同性愛」に関する討論。ヴォルテールのホモ…

ソクラテス的と呼ばれる愛(4)

仏作文の正解はこちら。 La confiance de plaire est souvent un moyen de déplaire infailliblement.今回の課題はこちらです。 「愛においては、あまり愛さないことが、愛されるための確実な方法である。」 今日はまず、論文を書く際の心構えについて説明。…

ソクラテス的と呼ばれる愛(3)

仏作文の正解はこちら。 La pompe des enterrements regarde plus la vanité des vivants que l'honneur des morts.そして今回の課題です。 「自分が気に入られているという自信は、しばしば、確実に嫌われる原因となる。」 今日は期末レポートについて少し…

ソクラテス的と呼ばれる愛(2)

仏作文の正解はこちら。 On ne blâme le vice et on ne loue la vertu que par intérêt.今回の課題はこちらです。 「葬式の盛大さは、死者の名誉よりも生者の虚栄にかかわる。」 テクストは95ページの下から4行目まで。次回で何とか読み終えることができ…

ソクラテス的と呼ばれる愛(1)

仏作文の正解は以下の通り。 On n’oublie jamais mieux les choses que quand on s’est lassé d’en parler.今回の課題です。 「人が悪徳をとがめるのも、美徳をたたえるのも、私利私欲からにすぎない。」 テクストは95ページの4行目まで。今回はだいぶ意味…

愛(討論)

仏作文正解はこちら。 La durée de nos passions ne dépend pas plus de nous que la durée de notre vie.そして今回の課題です。 「いろんな事柄についてうんざりするほど話したときほど、その事柄を見事に忘れてしまうことは決してない。」 本日は「愛」に…

愛(3)

仏作文の正解はこちら。 Dans l'adversité de nos meilleurs amis, nous trouvons toujours quelque chose qui ne nous déplaît pas.今回課題はこちらです。 「我々の情念の持続は、我々の生の持続と同様、我々の自由にはならない。」 今日は「愛」の項目を…

愛(2)

前回仏作文の正解はこちら。 L'amour, tout agréable qu'il est, plaît encore plus par les manières dont il se montre que par lui-même.今回の課題はこちらです。 「自分の親友たちが陥った逆境のなかに、私たちは常に、私たちにとって不愉快ではない何…

愛(1)

仏作文前回の正解です。 Les querelles ne dureraient pas longtemps, si le tort n'était que d'un côté.今回課題はこちら。 「愛は、いかにそれが心地よいものであろうと、それ自身によってというよりも、それが現れるやり方によってさらに楽しませる。」 …

友情(討論2)

まずは仏作文の正解。 Il y a encore plus de gens sans intérêt que sans envie.今回課題はこちらです。 「もし片方にしか落ち度がないとしたら、喧嘩は長くは続かないだろう。」 前回に私が宿題として持ち帰った質問に対して回答した後、討論の続き。先週…

友情(討論)

まずは仏作文の正解から。 Ceux qui ont eu de grandes passions se trouvent toute leur vie heureux, et malheureux, d'en être guéris.そして今回課題はこちらです。 「妬みのない人よりも打算のない人の方がまだ多い。」 今日は「友情」の項目に関する討…

友情

まずは前回仏作文の正解。Rien n'est plus rare que la véritable bonté.そして今回の課題です。「大恋愛をしたことのある人々は、そこから癒えると、一生のあいだ自分を幸福とも不幸とも思う。」 テクストは、予定通り、「友情」の項目を読み終えました。構…

イントロダクション

本日は、連絡方法、成績評価、授業の進め方などについて説明した後、一人ひとりに自己紹介をやってもらいました。みんな元気があって大変結構。 来週から早速、ヴォルテール『哲学辞典』の「友情」の項目を読んでいきます。 それから、仏作文も始めます。第…

放浪と記憶

まずは前回仏作文の正解です。Il n'y a que les personnes qui ont de la fermeté qui puissent avoir une véritable douceur. 今日は、「放浪の民と定住の民」、「記憶と習慣」に関する討論。あいにくの荒天でどうかと思ったけれど、出席多くてほっとしまし…

記憶と習慣(2)

前回仏作文の正解はこちら。 Notre envie dure toujours plus longtemps que le bonheur de ceux que nous envions.今回の課題はこちらです。 「本当の優しさを持つことができるのは、強さを持っている人々だけである。」 本日で読了。次回は、遊牧民と定住…

記憶と習慣(1)

前回仏作文の正解はこちら。 Il y a peu de femmes dont le mérite dure plus que la beauté.そして今回の課題です。「我々のねたみは、常に、我々がねたむ人々の幸福よりも長続きする。」 本日より「記憶と習慣」。プルースト『失われた時を求めて』のなか…

遊牧民と定住民(2)

まずは仏作文の正解。Quelque rare que soit le véritable amour, il l’est encore moins que la véritable amitié.そして今回の課題です。 「その美質がその美貌よりも長続きする女性などほとんどいない。」 今日で「遊牧民と定住民」を読了。ただし来週は…

遊牧民と定住民(1)

まずは前回仏作文の正解。 On ne souhaite jamais ardemment ce qu'on ne souhaite que par raison.今回の課題はこちらです。 Quelque rare que soit le véritable amour, il l'est encore moins que la véritable amitié. テクストは今日から「遊牧民と定住…

動物と植物(3)

前回仏作文の正解です。La vanité nous fait faire plus de choses contre notre goût que la raison.そして今回の課題。 「理性によってしか望まれないものは、決して熱烈には望まれない。」 本日は討論。動物と植物、人間と自然について、いろいろ考えても…

動物と植物(2)

前々回の仏作文の正解です。Il y a un excès de biens et de maux qui passe notre sensibilité.そして今回の課題。 「虚栄心は、理性よりもいっそう、我々の好みに反することを我々になさしめる。」 今日で「動物と植物」本文を読み終わりました。次回は、…

来年度の就活について

今日は一昨年度に卒業した慎改ゼミの先輩に、来年度の就職活動がどうなるのかということについて話してもらいました。その場ではあんまり質問など出なかったけれど、終わってから個別にいろいろ聞いてましたね。ちょうど変わり目の年にあたってしまって不安…