講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

2012-01-01から1年間の記事一覧

卒論発表(4)

ミャンマー、ラヴェル、『幸福論』についての卒論発表。とにかくまずは書き始めることが肝要です。 今日は出席者少なめでしたが、みんな書いてますか??昨日送られてきた原稿は、明日中にはなんとか添削して返送できると思いますので、しばしお待ちを!

すべてを見る者としての王

テクスト194ページ11行目まで読了。「ラス・メニーナス」はいかなる点において王に対するオマージュであるのかという話がこれから述べられていきます。

自己への配慮への配慮

『ラケス』の冒頭および中盤について簡単におさらいをした後、エピローグを読み、解説していきました。神によってソクラテスに与えられた使命が実際に果たされて、皆が自己への配慮へと向かう様子が描かれていましたね。 ソクラテスの倫理的パレーシアについ…

死後でなければ・・・(2)

仏作文の正解および課題は以下のとおり。Il s'en faut bien que nous ne connaissions toutes nos volontés.「私たちが全く評価していない人々を愛することは難しい。しかし、私たちが自分たちよりはるかに上であると評価する人々を愛することもやはり難しい…

中間試験

今日は4限に中間試験。出来はどうでしたか?来週3限では、今日できなかったディクテをやりますので、気を抜かず勉強しておいてください。

デカルト(2)

デカルトの2回目は「第二省察」。とことん疑った結果、「私」の存在だけは疑うことができないという結論に達したことに、必ずしも納得できなかった人もいましたね。これに関してはいろんな議論があるので、興味を持ったらぜひ調べてみてください。 次回から…

卒論発表(3)

本日の発表は、アランの『幸福論』、メルロ=ポンティの『知覚の現象学』、ルソーの『エミール』について。やはり扱う著作を絞った方が問題を立てやすいですね。 ついに提出締め切りまでちょうど2ヶ月となりました。本当に、もうあっという間ですよ!

capricho

テクスト191ページ15行目まで読了。「ラス・メニーナス」に描かれている情景が明らかにベラスケスによるフィクションであるというところまでやって来ました。もうしばらく歴史的分析が続きます。

率直に語ることの困難

前回のコメントにいくつか答えた後、ようやく『ラケス』のテクストへ。冒頭部分を読み、パレーシアとエピメレイアが密接に結びついているのを確認しました。次回は末尾の部分で、無知を暴露された人々がソクラテスとともに自己への配慮へと向かう様子を見て…

死後でなければ・・・(1)

仏作文の正解と今回の課題です。Nous aimons toujours ceux qui nous admirent; et nous n'aimons pas toujours ceux que nous admirons.「私たちが自分の意志のすべてを知っているなどということは決してない。」 恐怖に関する簡単な補足を済ませた後、次の…

来年度のことなど

そろそろ来年度のゼミを選ぶ時期が近づいてきました。というわけで、2013年度の慎改ゼミ(3ゼミ、4ゼミ)について、以下のページに簡単に紹介しておきます。2013年度4ゼミについて2013年度3ゼミについて なお、これまでの慎改ゼミの卒論テーマも以下に掲…

レポート

2012年度後期現代思想論期末レポートについて、詳細を以下に掲載しましたので、受講生の方は確認してください。現代思想論2012年後期レポート

卒論発表(2)

今日は当初の予定より多めの5名が発表。サガン、サド、デリダ、衣服の歴史、食文化について。駆け足で進めたため、一人ひとりに十分な時間がとれずごめんなさい!発表者の方は、発表者に渡した「コメント」で細かい点について確認してください。 なお、卒論…

私的な作品としての「ラス・メニーナス」

本日の講読は188ページの下から12行目まで。具体的な作品分析とはいえ、ちょっとややこしい文章が続いていたこともありたくさん進むことはできませんでしたね。次回はもう少し私の分担を増やしてみることにします。

ラケス

本日はまず、後期レポートの詳細についてしゃべりました。内容は近日中に慎改の個人サイトに掲載しますので、少々お待ちを。 今日もやはり、コメントに対する回答にちょっと時間をかけすぎてしまい、『ラケス』については概要の紹介しかできませんでした。次…

恐怖について(6)

前回課題の正解と、今回の課題です。Il est impossible d'aimer une seconde fois ce qu'on a véritablement cessé d'aimer. 「私たちは、自分に感嘆してくれる人々を常に愛するが、自分が感嘆している人々のことを常に愛しているわけではない。」 今日は恐…

中性代名詞

中間試験範囲の第14課まで終了。第15課の半過去について、4限の時間に説明だけやってもらいました。ディクテは37ページの3〜5.宿題は39ページの1です。 白金祭休みのあいだに試験勉強しっかりやっておいてください!

デカルト(1)

モンテーニュの次は、17世紀の哲学者デカルト。「方法的懐疑」によって確実な真理へと至るプロセスを辿るべく、今日はまず、第一省察について発表してもらいました。結構苦労したのではないかと思いますが、一生懸命考えてくれていましたね。 次回はいよい…

卒論発表(1)

本日より卒論発表開始。今回は3名の方に、女性と出産、コレット、ボランティアに関する論文の執筆計画を話してもらいました。それぞれよく考えてくれていましたね。この調子で、本文をどんどん書き進めていってください! 追記:先週やった要約練習の添削済…

歴史的調査

テクスト186ページ最初の段落の最後まで読了。今回は具体的な話が多かったのでまあまあ進みましたね。次回は「ラス・メニーナス」のなかに我々が実際に見ることのできるものについての分析となります。

エピメレイアとパレーシア

前回、「配慮」についてよくわからなかったというコメントが多かったので、今日はおさらいに時間をかけました。ソクラテスの使命が「自己への配慮」を目標とするということについて、もう一度詳しく説明しましたが、理解してもらえたでしょうか? 『ラケス』…

恐怖について(5)

仏作文前回課題の正解です。 Il y a des méchants qui seraient moins dangereux s'ils n'avaient aucune bonté.そして今回の課題。授業中に書いた日本語がちょっとまずかったようなので、以下のように訂正しておきます。 「自分が愛することを本当にやめて…

要約練習

本日は要約練習。一定の長さのテクストを自分の言葉で短くまとめるという、論文執筆の際に必要となる作業を試しにやってもらい、簡単に解説した後で、私が作成した解答例を配布。みなさんに書いてもらったものについては、添削して今度お返しします。 いよい…

存在すれすれのところで

テクスト183ページの一つ目の段落の終わりまで読了。フーコーの「ラス・メニーナス」論に対する美術史家的見地からの反論がここから始まります。

自己への配慮

『ソクラテスの弁明』の最終回。人々に対してその無知を知らしめるというソクラテスの使命には、人々が自分自身を絶えず高めることを促すという目標があるということ。「汝自身を知れ」という命令が、「自己への配慮」という問題に従属するものであること。…

恐怖について(4)

仏作文の正解はこちら。L'orgueil qui nous inspire tant d'envie nous sert souvent aussi à la modérer. そして今回の課題です。「善良なところがあるためにより危険であるような悪人がいる。」 テクストは、95ページの上から8行目まで読了。モンテーニュ…

代名動詞

3限の授業では、教科書34ページ代名動詞の活用を説明、練習しました。ディクテ範囲は33ページの1と3です。

モンテーニュ(2)

前回に引き続きモンテーニュ。今回は、「われわれの幸福は死後でなければ判断してはならない」を、担当者に発表してもらいました。コメントを読んでみたところ、「幸福」についてのモンテーニュの考え方にみんなあまり納得がいかなかったようですね・・・ 次…

卒論執筆ガイド(2)

先週に引き続き、卒論執筆のやり方に関する説明。今日はとくに、みんなに配ったひな形ファイルを実際にどのように使えばよいかということを、模範例を参照しながら解説していきました。 なお、来週から卒論発表を始める予定だったのですが、やはり初っ端は希…

理論と歴史

テクストは182ページ10行目まで読了。絵画をめぐる心的痕跡をなおざりにしてはならないということ。これが、アナクロニスムとつきあうための手段としてアラスによって提示されているものの一つでした。