講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

精神分析学の歴史的可能性の条件について

前回、前々回のフロイト概説を踏まえつつ、今日は、そのようなものとしての精神分析学がいかなる「歴史的可能性の条件」を持つものであるのかということについて考察してみました。「セクシュアリティ」の発明、告解の伝統とその変容、ブルジョアジーの台頭などといった歴史的事件が、精神分析の理論と実践に密接に結びついているのだ、というフーコーの分析について、納得してもらえたでしょうか?


後期は、セクシュアリティと権力の話を少々継続しつつ、今度は性と道徳ないし倫理との関係をめぐって、古代ギリシャ・ローマへと遡って行く予定です。