第8回
まず、手と目との関係をめぐる抽象主義と抽象表現主義との差異について考察した後、フランシス・ベイコンの作品について。脳に訴えるのではなく神経に訴える絵画を描く、というベイコンの言葉から出発して、ジル・ドゥルーズの言う「感覚の論理」がどのようなものであるのかということを、極めて軽く紹介しました。いずれにしても、ベイコンの圧倒的なバイオレンスは感じてもらえたのではないかと。
そんなわけで絵画についてはひとまず今日で終了。来週からは映画を扱います。基本的に、毎回1人の監督に焦点を絞り、その作品の特徴と映画史的および哲学的意義について解説していく予定です。
そして映画会。教室を押さえることができたので、予定通り、7月7日の5、6限にやります。詳細についてはまた改めて。掲示も出します。
参考文献
デイヴィッド・シルヴェスター『肉への慈悲』、小林等訳、筑摩書房、1996年
ジル・ドゥルーズ『感覚の論理』、山県煕訳、法政大学出版局、2004年
なお、ベイコンの作品については以下を参照のこと。
Francis Bacon Image Gallery http://www.francis-bacon.cx/