講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

言説の煽動

まず、私たちは性に関して沈黙を強いられているのでは、という問いを提出してみました。つまり、先週の授業でやってもらったように何か書けと言われれば書けるけれど、みんなの前で性について口にするのはちょっとはばかられるのではないか、と。


そしてこれに関してミシェル・フーコーによる分析を紹介。性について沈黙を課されているとしたら、それは、性についてより多くのことを語らせるための補足的命令である、という彼の主張を、カトリックの告解の伝統などを紹介しながら解説しました。


では、そのような言説の煽動が実際にあるとしたら、それはいったいどういうことなのか。私たちが性を語るべき事柄と考えるとしたらそれはいったいなぜなのか。次回はこの問いについて考えていくことにしましょう。


参考文献:ミシェル・フーコー『知への意志』第1章〜第2章