講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

第14回 分化する知覚

映画的知覚が自由間接話法的である、という前回提示した命題について、それがいったい何を含意しているのかを解説しました。複数の主観が混ぜ合わされているということではなく、逆に分化による主観構成の契機がそこにあるということ。その後で、前回も見てもらったロメールの「聖杯伝説」、さらにベケットの「フィルム」、ルビッチの「生きるべきか死ぬべきか」を、説明を加えながらそれぞれ一部上映しました。


次回は、別の観点からの主観的知覚、客観的知覚の区別について検討します。今度はヴェルトフの映像がポイント。