講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

第9回

フーコー構造主義との関係について簡単に触れた後、『臨床医学の誕生』へ。18世紀後半に出現したものとしての「臨床医学」を、近代医学を創設したものとしてとらえることができないのはなぜかということについて、フーコーの分析を紹介しました。来週は、病理解剖学の始まりとその本質的任務について解説します。


参考文献

ジャック・デリダ『声と現象』、林好雄訳、筑摩書房、2005年
ジャック・デリダエクリチュールと差異』、法政大学出版局、1977年
ミシェル・フーコー臨床医学の誕生』、神谷美恵子訳、みすず書房、1969年
ミシェル・フーコーフーコー・コレクション』、小林 康夫、石田 英敬、松浦 寿輝監訳、筑摩書房、2006年


そういえば今日、「誰が?」という問いに潜む欺瞞についてしゃべりましたが、帰りの電車のなか、某週刊誌の吊り広告に、「こんな日本に誰がした!」なる見出しを発見。示唆的です。


なお、前期レポートについてはこちらを参照ください。