講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

笑顔と救済

仏作文の正解は以下の通り。なお今回は課題はありません。
On ne loue d’ordinaire que pour etre loue.

カビリアの夜」についてのバザンのテクスト最終回。私自身とくに気に入っているラスト・シーンの分析でした。カビリアがすべてを失い途方にくれて歩いているとき、楽しげに歌い踊る若者たちの集団に出会い、おそらく彼女の意に反してその顔に浮かぶ微笑みは、我々観客もそこに誘い込まずにはおかない生の肯定です。


そしてその後、ロッセリーニの「ヨーロッパ1951年」についての短いテクストへ。これは発表ではなく、みんなで少しずつ読んでいきます。次回は、最後の二つの段落を予習しておいてください。


そして本日の上映会はやはりロッセリーニの「ドイツ零年」。ネオレアリズモと子供との関係は次回にまた解説します。