講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

真理への愛

プラトン恋愛論が、いわゆる「プラトニックラブ」として我々が知るものとどのように異なるのかを明らかにするために、『饗宴』の内容を詳しく紹介したうえで、フーコーの分析を解説しました。プラトンの言う愛とは、相手の魂(精神)を目指すものではなく、美そのもの、美のイデアを目指すものであるということ。そしてそこから、結局、愛とは真理への愛、知恵への愛であり、フィロソフィアであるということ。そしてもちろん、このようなものとしての恋愛が、成人男性と少年とのあいだの関係について語られているということ。


言葉のあらゆる意味において眩暈を生じさせるプラトンの書物を、この機会にぜひ読んでみてください。