講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

権力から倫理へ

本日より、権力の話を離れて、性の問題を「倫理」との関連で扱うフーコー晩年の著作についての考察へ。どのようにしてそのような軸の移動が起こったのかについて、わかりやすいと思われる側面をとりあげつつ解説してみました。強制や禁止によるのではなく、ある種の「美学」に基づいて自分の行動を一定の方向へと導くとはどういうことなのかを、古代ギリシャ、ローマ、そして初期キリスト教時代について見ていく予定です。


なお、これからの話に直接関係するフーコーのテクストは以下の通り。

『快楽の活用』
『自己への配慮』
「倫理の系譜学について」、「快楽の用法と自己の技法」(いずれも『ミシェル・フーコー思考集成IX』所収)