講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

マネあるいはエロティシズムの解体

まず仏作文。実は今回、授業中の解答に間違いがあったので訂正しておきます。

Marie, ainsi que sa soeur, a quitte la maison familiale des l'age de 16 ans.

授業中、"ont quitte"と書いたところを、"a quitte"と修正しました。ainsi queの使用法には実は、主語を単数扱いする場合と複数扱いする場合の二通りあるのですが、「マリーは、彼女の姉と同様に」という日本語を訳す場合は、主語はマリー一人なので単数扱い(したがって、前回の課題に対してはこちらが正解であるというわけです)。これに対し"ont quitte"となるのは「マリーとその姉は」が主語の場合です。


なお、用意し忘れたので今回の課題はナシ。


発表は、第18章の第6〜第8段落まで。そのあと、見ることと触ることとの戯れから成る古典的裸体画のエロティシズムと、マネによるその解体とを、「ウルビーノのヴィーナス」と「オランピア」を比べながら考察してみました。あまり上品ではない話題になってしまったけれど、絵画史の「深さ」を少しでも感じてもらえたとしたらうれしい限りです(参考文献:ダニエル・アラス『なにも見ていない』)。