講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

「映画は真実でなければならない」

本日は特殊研究関連。生の困難を覆い隠そうとする傾向を持つ映画に抗してジャン・ルノワールが語った言葉です。


「・・・あらゆる芸術と同様、映画が若者たちにもたらすべきはただ一つ、すなわち、人間の認識、人間と自然の認識への手助けです・・・したがって映画は、人間の性質、人物を明らかにするものでなければなりません。つまり、映画は何よりもまず真実でなければならないということ、もっぱら真実でなければならないということです(・・・)。そしてそれが真実であるときにのみ、映画は有益な役割を果たします。ただしこれは非常に困難なことです。というのも、大きな映画会社は真実を好まないからです。剥き出しの真実は革命的商品のようなものとみなされるのです・・・」


Jean Renoir, Le Passee vivant, Les Cahiers du cinema, 1989.


なお、ルノワールに関してはこちらも参照