講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

第10回

前回の『臨床医学の誕生』に関する解説がちょっとわかりにくかったようなので、今日は、死体解剖が医学の本質的任務となるその契機についてもう一度やり直し。そしてそれから、医学的知の変容と人間学的思考との関係をめぐって、可視性の問題と有限性の問題に触れました。次回は、『臨床医学の誕生』と同年にフーコーが著した『レーモン・ルーセル』を、とりわけ見えるものと見えないものとの関係についての言及に注目しつつ解読していく予定。


参考文献

ミシェル・フーコー臨床医学の誕生』、神谷美恵子訳、みすず書房、1969年

ミシェル・フーコー『言葉と物』、渡辺一民佐々木明訳、新潮社、1974年

ハイデッガー『カントと形而上学の問題』、門脇卓爾、ハルトムート・ブフナー訳、創文社、2003年

カント『純粋理性批判』、原佑訳、平凡社、2005年