講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

現代思想論

レポート

ずいぶん時間があいてしまいましたが、今年度最後の現代思想論はその場レポート。お疲れさまでした。冬休み中にしっかり勉強してきたかどうか、これからじっくり読ませてもらいます。

決断主義

本日は、今年度の授業の総まとめ。フーコーの研究の三つの軸について簡単におさらいした後、彼の主張をどのように受けとめればよいのかについて、ポール・ヴェーヌの著作をもとに解説しました。何をなすべきかを語るのではなく、何かをなすために役立つ手段…

権力から主体化へ

ようやく本日でテクストを読了。抵抗が権力に内在的であるという部分を読み終わりました。そしてそれから、『性の歴史』第一巻と第二巻、第三巻とのあいだの研究計画の変更について、極めておおざっぱに紹介。 次回は、フーコーの研究を読む際に踏まえておか…

権力と抵抗

権力に関するテクスト講読は、抵抗の問題を扱った最後の項目の途中まで。来週には何とかそこを終えて、次の話題に入っていきたいと思います。 なお、言うまでもないことですが、後期の成績は、テクスト講読の回における授業参加を重視しますので、そのつもり…

権力は下から来る

前回に引き続きフランス語のテクスト講読。権力は下から来る、権力は志向的であると同時に非主観的である、というフーコーのテーゼについて考察しました。 なお、後期レポートについてはこちらに掲載してありますので確認してください。

レポートについて

現代思想論および特殊研究の2010年度後期レポートについて、詳細を以下に掲載しましたので、履修者の方は確認しておいてください。現代思想論レポート特殊研究レポート

戦争と政治

先週に引き続き、権力に関するフーコーのテクストをフランス語で講読。今日出席してくれた人はだいたい読んできてくれていて大変結構。権力はモノではなく関係であるということ、権力は上部構造ではなくそれ自体生産的なものであるということについて考察し…

権力とは?

まずは「セクシュアリティ」という概念について簡単におさらい。そしてその後で、フーコーの言う「権力」とはそもそもどのようなものであるのかを理解するために、『知への意志』の当該箇所をフランス語で読み始めました。今日は予習があまりできておらず残…

セクシュアリティの歴史

しばらくぶりの授業だったので、まずは、『監獄の誕生』と規律権力について簡単におさらい。それから、『性の歴史』の紹介へと進みました。次回は「セクシュアリティ」という概念についての説明を補足して、いよいよテクスト講読に入る予定。しっかり予習し…

主体の学

まずは前回に引き続き『監獄の誕生』について。個人一人ひとりについて知ろうとする権力のもとで(動機の解明、情状酌量、精神鑑定などのかたちで)裁判の目標がずらされているというフーコーの指摘を紹介しました。 そして今度は『知への意志』。今日は「抑…

パノプティコン

『監獄の誕生』について前回のおさらいをした後、「見られずに見る」仕組みを体現した建築様式としてのパノプティコンの話へ。自動的に作動する監視のメカニズムがどのようなものかわかってもらえたでしょうか? 次回は今日ちょっと触れておいた裁判の話から…

身体刑から監獄へ

70年代フーコーの著作のうち、まずは『監獄の誕生』について解説。身体刑から監獄へという処罰形式の変化と権力のメカニズムの変容との関係を、途中まで話しました。来週は、「見られずに見る」監視システムとしてのパノプティコンの話から。 なお、BBS…

テクスト配布

授業で使用するフランス語テクストおよびその日本語訳をBBS([48]、[49])にて配布します。読み始めるのはまだ先になりますが、各自ダウンロードしてぼちぼち目を通しておいてください。講義日誌BBSへ

前期のおさらい

今日は学生生活実態調査に時間をとってしまい失礼しました。 授業は、前期のおさらいと、後期の授業計画について。講読予定のテクストは近日中にアップできると思うのでもうしばらくお待ちください。 それから、後期に扱う「権力」の問題に関連する著作とし…

レポート

本日はその場レポート。ちゃんと書けましたか? 今学期の現代思想論の授業はこれで終了です。来学期は哲学から多少離れて、権力や倫理など日常にかかわる問題を中心に扱っていく予定です。

総まとめ

前期の総まとめとして、レポートのテーマとしてあげた「哲学」、「歴史」、「人間」に関していろいろ質問しながら解説しました。やはりテクストをちゃんと読んでくれていた人は的確に答えてくれましたね。 来週はレポートです。しっかり準備しておいてくださ…

構造主義

人間主義的思考が崩壊しつつあるとはどういうことなのか、そしてそれに大きく寄与したものとしての構造主義とはどのようなものなのかについて考察しました。ちょっと説明が不十分だったかもと不安ですが、いかがでしたでしょうか? これでフーコーのインタビ…

主体かつ客体

フーコーのテクストは608ページ14行目まで。人間があらゆる認識の源泉のようなものであるとはいったいいかなる意味なのかについて、カントを引き合いに出しながら解説しました。 次回は人間学および人間主義の解体を引き起こしたものとしての「構造主義」の…

人間と人間主義

論理学的タイプの歴史研究とはどのようなものか、という話から、人間主義の問題へ。『言葉と物』の核心にあるテーマに迫ります。 例によってテクストはゆっくり進んで607ページ下から7行目まで終了。次回は「構造主義」のところまで行けたらと思います。

因果性の問題

前回に引き続き、歴史について。因果関係の再構成とは別のやり方で歴史研究を行うことができないのか、というフーコーの問いかけから出発して、因果律に関するヒュームの議論、さらには論理学の問題にも多少踏み込んで解説してみました。原因と結果との必然…

歴史について

本日はまず前期レポート課題についての説明など。今日欠席した人は、後日あらためてWEB上に詳細を掲載しますのでそちらをご覧ください。 その後で、前回の続きからテクスト講読を行い、607頁の3行目まで読み終わりました。なかなかスピードアップは難しいで…

現在の診断

本日より、フランス語テクスト講読の開始。まずは、「フーコー教授、あなたは何者ですか?」の一節、フーコーの研究と哲学および歴史との関係について語った箇所から読み始めました。 内容を理解するのはもちろんのこと構文をとるのも大変だったようで、今回…

フーコーの著作(3)

『知の考古学』から『自己への配慮』まで、フーコーの主要著作について残っていた分を一気に紹介しました。前回、ちょっとゆっくりすぎるんじゃないかと出たのでスピードアップしてみたんだけど、いかがでしたでしょうか? 次回から、フランス語テクストの講…

フーコーの著作(2)

フーコーの著作紹介第二回目。前回、もう少し詳しく内容を説明してほしいという声があったので、『狂気の歴史』からもう一度あらためて紹介。結局、60年代の著作を終えることができず、次回は『知の考古学』から。もうちょっと簡略でもよかったでしょうか…

フーコーの著作(1)

前回途中まで読んだLes Mots et les choses 末尾のテクストについて簡単におさらいをした後、残った部分を読み終えました。もちろんここだけ読んでも「人間」の発明や「人間」の消滅が具体的にどういうことなのかわからないと思うので、授業のなかでまたあら…

テクスト配布など

授業で次に扱うテクストを配布します。以下↓からアクセスしてください。BBS[32]現代思想論プリント(1) なお、履修者数がまだ確定していないようなので、教室変更はもうしばらく様子をみることにしました。したがって来週も今までと同じ教室でやります。

人間は最近の発明品である

まずは「人間」をめぐるフーコーのテーゼを紹介しつつ、先日配布したLes Mots et les choses 末尾の部分を講読しました。やはりフランス語の文章の意味をとってそこからさらに内容を理解するとなると、結構苦労しているようでしたね。ゆっくり説明を加えなが…

イントロダクション

第一回は授業の目的、進め方などについての説明から。みなさんがフーコーや哲学についてどれくらい知っているかについても簡単に聞いてみました。 なお本年度は、単にこちらが講義するだけでなく、みなさんにもフランス語テクストを読んでもらうことにしまし…

レポート

本日はその場レポート。すぐに書き終わった人、最後まで粘った人、さまざまでしたね。 今日でとりあえず今年度のすべての授業を終了。皆さんお疲れさまでした。

総まとめ

あけましておめでとうございます。 今年度最後の授業ということで、これまでの総まとめをやってみました。そしてその後、前回に出た質問のうちフーコーの思想およびこの授業に直接かかわるものに対して回答。見ているのに見えていないものを見るため、通常と…