講義日誌 yasuyuki shinkai

明治学院大学文学部フランス文学科 慎改康之

特殊研究

イントロダクション

まずは授業の目的および内容についての簡単な説明から。見る術を学ぶということがどういうことなのかについて、例年同様オーソン・ウェルズ監督映画「黒い罠」冒頭のワンシーン・ワンカットを観てもらいながら解説しました。こちらの意図はだいたい伝わった…

権力と知

ちょっとあいだがあいてしまいましたが、前回に引き続きフーコーの話。「見られずに見る」権力が、一人一人の個人についての知を手に入れることによってより円滑かつ効果的に機能するものであるということを解説しました。具体例もいろいろ出したので比較的…

権力について

前回発表を受けて、ミシェル・フーコーの続き。今回はフーコーの考える「権力」とはどのようなものなのか、そしてそのメカニズムの歴史的変化が、どのようにして新たな処罰形式を可能にしたのかということについて、補足的に説明しました。 次回、今年度の最…

犯罪と処罰

ミシェル・フーコー『異常者たち』における犯罪の怪物性に関する一節について、2名の方に発表をお願いしました。ここだけ抜き出して読んでもなかなかわかりづらい部分を、よくまとめてくれました。 今日もまだ喉が本調子でなかったので、詳しい解説は次回に…

差異の思考

近親婚の禁止に関するレヴィ=ストロースの分析をまず補足。平行いとこ婚が禁じられ交叉いとこ婚が容認されるメカニズムが、女性の交換という見方をすることによって理解可能になるということを、図を描いて説明してもらいました。 そしてその後、差異の問題…

後期レポート

現代思想論および特殊研究の2008年度後期レポートについて、以下に詳細を掲載しました。不明な点などあったら質問してください。 2008年度後期現代思想論レポート2008年度後期特殊研究レポート

家族、結婚

まずは、第二班によるレヴィ=ストロース発表をお願いしました。詳細にわたっての紹介、どうもありがとう。むしろ私の方のフォローが足りなかったかなと思うので、次回付け足します。レヴィ=ストロースの主張のポイントは、夫婦間の役割分担も、近親婚の禁止…

構造主義

まずは前回ソシュールの話について簡単に補足的解説など。言語は単なる道具ではない、という点を強調しておきました。 そしてそれを受けて、レヴィ=ストロース第一班の発表へ。人物の紹介と構造主義の説明をやってもらいました。かなり難しいテクストを断片…

「言語には差異しかない」

本日はソシュールについての発表。図解や実演などを駆使しつつ非常に丁寧かつ詳しく説明してくれて、見事でした。何より、言語を考察の対象とすることの興味深さがみんなに伝わったのではないかと思います。 今後の授業にもつながる内容として最も重要なのは…

思考と自由

先週のデカルトの話がいまいち不評だったのを受けて、私たちの日常により近い話として、思考と自由との関係について考察してみました。私たちの思考は、私たちの行動に何がしかの自由をもたらすことができるけれど、ではその思考そのものの自由とはいかなる…

デカルト

本日はデカルト『省察』についての発表。方法的懐疑からコギトの発見に至るまでを簡単にまとめてもらいました。少しでも疑う余地のあるものは徹底的に疑うというデカルトの身振りに対していまいち共感してもらえなかったようで残念。来週はここからフッサー…

ロッセリーニ解説

先週の発表を受けて、本日は私の方でロッセリーニの映像についての解説。知覚と行動との絆を緩めることによる生じるイメージとは何か、ということについて考察しました。ちょっと最後ごちゃごちゃしてしまったけれど、だいたい理解してもらえたのではと思い…

ロッセリーニ発表

本日はまず後期発表者の募集。前期と同様、希望者多数で題材を増やすことになりました。 ロッセリーニの発表。「ヨーロッパ1951」と「ストロンボリ」において、登場人物がいかに観客化しているかということに注目して分析してもらいました。聴いている人たち…

イントロ&アンゲロプロス

今学期から履修の人も結構いたので、まずは授業の目的とやり方について簡単に説明。「よく見る」をテーマにした前期に対し、後期は「よく読む」術を学んでいきます。テクストの背後に隠されたものを性急に目指すかわりに、実際に書かれているもののレヴェル…

ヒッチコック(2)

本日はヒッチコックの「ロープ」と「サイコ」についての発表。全編ワンカット(風)の前者と、後者のシャワーシーンにおけるモンタージュの妙を比較しつつ、ポイントを押さえてうまく解説してくれました。今回で前期の授業は終了です。後期は映画についての…

ヒッチコック

まずは先日のワンシーン・ワンカットに関する説明の続きから。駆け足になってしまってわかりにくかったかもしれませんね。とりあえず、二種類の時間について理解していただけたとしたらうれしいのですが。 それからその後、ヒッチコックについての発表をやっ…

トリュフォー

今回はトリュフォーについての発表。いわゆるアントワーヌ・ドワネルものとして、「大人はわかってくれない」、「夜霧の恋人たち」を中心に紹介してもらいました。絶対の愛とかりそめの愛との対立など、目の付けどころがよくて感心でした。 次回はヌーヴェル…

ルノワールと「外」

前回の発表を受けて、今日は私がルノワールについて解説。ルノワールと「外」との関係として、オフやパンフォーカスなどによる画面の使い方、ロケによるパリの街並みそのものの撮影、さらには "jeu" (ゲーム、演技)からの脱出という物語的側面についてしゃ…

ジャン・ルノワール

今日はジャン・ルノワールについて、2組の方々の発表。まずは、「素晴らしき放浪者」をマルセル・カルネの「北ホテル」と比較しつつ、ロケとセットとの違いについて紹介。次に、「ゲームの規則」と「黄金の馬車」について、それらに共通する特徴を分析して…

マグリット(解説)

今日はジャン・ルノワールについての発表も準備してもらっていたのですが、結局マグリットの解説で終わってしまいました。問題のパイプの絵が絵画の表象機能を動揺させ、二種類の類似を戯れさせている、という点に絞って説明しましたが、やはりちょっと難し…

マグリット

本日はマグリットについて2組の方々に発表してもらいました。まずはマグリットの人物とその作品のいくつかについての紹介、次いで、「イメージの裏切り」(「これはパイプではない」)に焦点を定めた考察。両者とも、自分自身の視点や興味を明確にしながら…

ティツィアーノ、マネ(2)

本日はまず、ティツィアーノ「ウルビーノのヴィーナス」についての発表。絵画におけるヴィーナスという主題をめぐって調べてくれていて、非常に興味深い内容でした。 そしてそのあと、前回の続きとして、マネの「オランピア」における平面性の強調に関して補…

マネ、ティツィアーノ

今日から発表開始。まずはマネ「オランピア」とティツィアーノ「ウルビーノのヴィーナス」との比較ということで、マネとそのいくつかの作品、さらにはダニエル・アラスによる分析を紹介してもらいました。みんなしっかり準備してきてくれていて大変結構。 そ…

Le carrosse d'or

ジャン・ルノワール監督「黄金の馬車」の上映は、以前からの予定どおり。概ね楽しんでもらえたのではないかと思います。分析はまた後ほど。

レオナルドと遠近法

前回の続きということで、「モナリザ」以外のいくつかのレオナルド・ダ・ヴィンチの作品について。とりわけ遠近法の扱い方の問題を中心に解説しました。 それから、作者と作品との関係についての考え方についても少し。今日挙げるのを忘れたけれど、次の本も…

モナリザ

まずは発表者を決定。すぐに希望者が名乗り出てくれたのですんなりと決まりました。発表は5月9日開始。それまでぼちぼち準備しておいてください。 それから「モナリザ」について発表デモ。レオナルド・ダ・ヴィンチとその作品を数点紹介した後、「モナリザ…

イントロダクション

第一回の授業は、普段とは異なるやり方で見たり考えたりするとはどういうことかを簡単に解説。導入として、オーソン・ウェルズ監督の「黒い罠」冒頭のシーンを見てもらいました(授業中、監督名、作品名を紹介し忘れていました!)。なんとなく意図はわかっ…

ヒッチコック、ロッセリーニ

今年度最後の特殊研究は、現代思想論と同様、ヒッチコックとロッセリーニ。「マーニー」と「ストロンボリ」を比較しつつ、登場人物と観客との関係の逆転と、その映画史的意義について考察しました。 1年間、あるいは半年間のこの授業が、視線と思考のウォー…

発表(バートン、小津)

今日の発表は、ティム・バートンと小津安二郎という異色の組み合わせ。バートンのアニメの方が近づきやすかったかとも思うけれど、小津の独特の映像にも注目してもらえたのではと思います。いわゆる「空のショット」についてもう少し紹介したかったんだけど…

発表(ロメール、トリュフォー)

発表の2回目はエリック・ロメールとフランソワ・トリュフォー。「獅子座」、「友達の恋人」、「アデルの恋の物語」、「大人はわかってくれない」について、自分の感じたこと、考えたことをまじえながらうまく語ってくれました。